珠洲市で浦野農園さんが手掛ける「Playground」のトイレ棟の計画。
浦野農園さんは三崎町で煙草や野菜やお米の栽培をおこなうかたわら、海沿いの景色のいい畑の一部を
キャンプ場やイベント会場として整備する「Playground」のプロジェクトをすすめており、
利用者が使いやすく、海辺の景観を壊さないようなトイレ棟の計画が求められた。
建物配置については海への眺望を邪魔しないように森に隣接した場所を選ぶとともに、
畑から海をみたときに視界に入るいくつかの樹木の形状にあわせて屋根の形状や勾配を検討した。
二つある便房の間に回廊を設け、海から森や畑への動線をつないだ。
回廊上部の軒桁を省略することで、門型をより際立たせた。
建設工事は工務店さんの協力をもとに、基礎打設・建て方・外壁張りに至るまで施主と大工が共同しておこなわれた。
施工の難易度を抑えるため外壁羽目板張りは目透かしではなく目板押さえとしたが、結果的にすこし無骨だが味のある納まりとなった。
(Photo: 吉岡 栄一)